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全国理美容新聞 2004年1月1日号

なお、記事中の文章は読みやすくして
記事の下に抜き出してあります。





掲載記事の文章のみ下に抜き出しましたので、
記事を読まれる方はどうぞ。

 

 座談会参加者 参加者のプロフィール

藤岡 正直氏
 
●藤岡正直氏 (理容師、美容師、ホームヘルパー2級資格取得、
                  「NPO法人訪問理美容協会」代表)
 平成12年4月  「訪問理美容センター」を設立
           本格的に介護理美容師として訪問理美容
           業務を開始。
 平成12年8月  倉敷市の理美容サービス指定事業者に認定。
 平成13年    「訪問理美容協会」を設立。介護理美容師、
           訪問理美容師の集団として活動を展開。
 平成14年7月  岡山県知事より「訪問理美容協会」の設立を
           認証される。県内はもとより県外各地に於て
           ステーションを設置

中川 知子さん
 
 

●中川知子さん (理容師、ホームヘルパー2級資格取得、
    「NPO法人おしゃれdeげんきに訪問ヘアーカットサービス
        代表)
   平成13年10月 ディー・アイライフサービスからの紹介者へ
             の理容業務開始
   平成14年6月  社会福祉法人祉友会 身体障害者療護
             施設リバティ神戸に定期的に訪問。
             事業化に向け整備開始。
   平成15年4月  「NPO法人おしゃれdeげんきに訪問
             ヘアーカットサービス」設立。
   平成15年9〜11月 社会福祉法人希望の家、三好病院、
             協和会第2病院など定期的に訪問中。

近藤 伸也氏
 
 
 
●近藤伸也氏 (美容師、ホームヘルパー2級資格取得、
    大阪美容組合豊中支部長、
    「NPO法人 豊中訪美協会」理事長)
   平成13年12月  大阪美容組合豊中支部内において
              「介護2級講座取得」の第五期生募集開始
              (26人受講)
   平成14年9月   第1期生26人全員がホームヘルパー2級
              資格取得。
   平成14年10月  「NPO法人 豊中訪美協会」設立申請書を
              大阪府に提出(平成15年1月に認証)
   平成15年7月   設立記念イベントとして65歳以上の
              高齢者へのカット、メイクの奉仕活動を
              豊中市役所にて実施。

上田 秀信氏
 
 
 

●上田秀信氏 (理容師、ホームヘルパー2級資格取得、
      大阪理容組合生野支部副支部長・組織部長・
      総務部長、「介理グループひだまり」リーダー)
   平成12年10月  大阪理容組合のホームヘルパー2級養成
              通信講座受講。
   平成13年3月   ホームヘルパー2級取得者の有志により
              「介理グループひだまり」設立。
               (メンバー12人)
   平成14年9月   知的障害者再生施設へ赴き
               福祉出張理容行う
   平成15年4月   特別養護老人ホーム
              「ビーナスホーム干島園」、
              同「南の風アルソーレ」への月4回の
              出張理容を開始する。

長野 和枝さん
 
●長野和枝さん (看護師)
      クリニック歴   産婦人科3年
      病院歴   日本医科大学付属病院
              大阪逓信病院等4年
              訪問入浴2年
      講師歴      ホームヘルパー講座1年

山口 芳久氏
 
●山口芳久氏
     株式会社アテナメディカルサポート代表取締役
     「NPO法人福祉活動と福祉教育の推進協会あすなろ」
     代表理事
 
     救命救急の普及委員

以降掲載記事全文です。
 
 本格的な高齢化社会を向かえた日本。理美容業もそのニーズの高まりから特別養護老人ホームなどの福祉施設や寝たきりの人、また身体障害者ら在宅への訪問理美容サービスが進んでいる。
 本来の理容所・美容所での営業だけでなく、理美容業の成し得る新たなサービスの一つとして、また社会貢献という意味からも果たすべき役割は大きいと考えられる。
 これらの責務を実行するため全理連、全美連でも各単組がそれぞれ活動を展開。また全国的に見てもサービスを行う業者が増加しており、自らがホームヘルパー2級の資格を取得し、介護も出来うる理美容師として多くの利用者と日々向き合っている。
 そこで今回の新春座談会では、いち早く組織を設立し、積極的に訪問理美容サービスを展開している各代表者、加えて介護ホームヘルパー講座の主宰者、また現役の看護士に参集いただき、現活動状況やその中での問題点、また利用者との触れ合いから感じる自身の体験などを語ってもらった。

 Q ではまず、皆さんの現在の活動内容を簡単にお話しください。
 
(藤岡)  私が訪問理美容を始めましたのは平成12年からですが、現在ではお陰様でほぼ年間365日、依頼があります。
 
(中川)  私は一番困っていると思われる在宅の利用者の方を中心に、病院、施設を訪問しています。
 平成14年、15年には兵庫県の方からコミュニティービジネスということで「事業化を進めなさい」と教えて頂いて、現在は助成金を受け、NPO法人として認証されて活動を行っているという状況です。
 
(上田)  私の方は、大阪理容組合を通じまして、平成13年3月にホームヘルパー2級の資格を組合員約200人が取得したと聞いています。
 ですがその後、組合としての活動がなかなか、具体的に上がってきませんでした。そこで、若い人たちの社会参加につながり、またせっかく取得した資格を何とか形に付けたいという思いで、同年9月に当時の理事長に「組合の中で認めてほしい」と提案し、大阪理容組合の中の『介理グループ ひだまり』として現在活動を行っています。
 
(近藤) 私自身が目で見て体験してきて、訪問美容に取り組むべきだと数年前から思っていました。
 ですが、組合員さんを納得させるまでに1年かかり、毎回会議の度に「ホームヘルパーをしよう、ホームヘルパーをしよう」と訴えました。ですが当初は『ホームヘルパー』という言葉も皆さん知らなかったんです。粘り強く説明を繰り返し、繰り返し、ようやく「やってみよう」ということになり、山口さんと知り合って、2001年に立ち上げて02年2月からヘルパー2級講座の受講を開始し、03年に『NPO法人豊中訪美協会』の認証を取得しました。
 
(山口)  私は『株式会社アテナメディカルサポート』の方で、訪問介護ステーション、医療機関への人材派遣を行っています。主に就職のサポート、在宅へのホームヘルパーサービスということを中心に事業を展開しています。
 また、同じ時期にNPO法人を立ち上げまして、こちらの方は『福祉活動と福祉教育の推進協会 あすなろ』という名称で、ホームヘルパー講座を中心に、本当に技術や資格を修得したいと思っている個人や団体の人々に向けて講座を受講して頂いたり、講座をそのまま委託して頂いたりしています。
 平成12年からは大阪府美容組合豊中支部様からも講座を受講頂いて、美容師の方ばかりというホームヘルパー講座をこの3年くらい受けて頂いています。
 
(長野)  私が訪問の方に入るきっかけとなったのは、ホームヘルパーの講師をさせて頂いた時に、実践の中で利用者と関わる自分を持たなければと思ったのが切っかけで、訪問介護を始めました。
 訪問介護の方は、ホームヘルパーサービスではなく、主に訪間入浴を約2年くらいさせて頂いてますが、感じるのは在宅の利用者のニーズとして頭髪のケアはかなり大きいということです。訪問入浴でも洗髪を行いますが、散髪とか整容の部分までは時間的にも行き届きません。「髪の毛が伸びましたね。散髪しないといけませんね」と言いましても、介護者が出来る人ならいいですが、同居者や介護者が出来ない場合は、やはりどこかにサービスを依頼しなければなりません。
 サービスやボランティアを受けなければならないということで、「今は、理容師さんや美容師さんがお家に来て散髪してくれるんですよ」と伝えるんですが、訪問理美容のサービスが行われていることを知らないご家庭が多い事に気付きまして、今日は皆様がどのような活動を行っているのかを教えて頂ければと思っています。
 

難しい問題があります…。
TVにCMのおかげで依頼が多数

(上田)  『ひだまり』は現在、会員13人で、2カ所の施設を訪問しています。第1・第2・第4月曜日と第2火曜日と限定された日にしか訪問しておりません。在宅の利用者からの依頼は、(ヘルパー2級を取得した理容師の)これまでのお客様ならば、当然その理容師に訪問してもらいます。
 また、『ひだまり』として在宅に訪問して欲しいという依頼であれば、私たちの会員で対応しています。
 私どもは施設に伺っている訳ですが、施設に受け入れてもらうにも、大きな壁といいますか…、難しい問題がはっきり言ってあります。企業として事業を行っているところもありますし…。
 私どもは組合として、料金も格安で行うというのは難しい訳です。2003年4月から本格的に活動を行っていますが、ある施設ではボランティアの人たちもいる訳です。ですから絶えず、ボランティアやまた法人とかち合います。ですが最近では私たちの活動内容をしっかり施設の人たちが見てくれておりまして、訪問する前の週には必ず「○月○日は何人カットしてもらいます」という連絡が入るようになっています。ですからそれに合わせてこちらが伺う人数を調整しています。
 
(中川)  私の方で多いのは「訪問入浴が何月何日の何時からあるので、それまでに来て欲しい」という利用者からの依頼です。
 ですからカットが終わったくらいに入浴車が来るということが利用者には都合がいいのだと思います。ですがそうなりますと、日にちも時間も決まってしまい、こちらはそれに合わせるのがとても難しいですね。
 
(長野)  とても皆さん大変なんですね。
 
 Q  藤岡さんはNPO法人の認証を取得し、訪問理美容にいち早く取り組んでいますが、業界としてサービスを盛り上げていくことについてどうお考えですか。
 
(藤岡)  まず理容師・美容師というのは自惚れがあると思うんですね。「店舗に来てくれ」「技術がある」「トロフィーをいっぱい持っている」などです。
 ですから利用者の立場になっての営業ができない。 またいかに自分の組織、活動を多くの人々に知って頂くかということなんですが、市や福祉協議会とか訪問介護ステーションなどありとあらゆる事業所や団体に名刺の一枚でも持って行ったことがありますか? そういう点からですね。でなければもう少し行政の力を借りて広報誌などに載せてもらったりするべきです。
 私の協会では最近、ホームページを立ち上げまして、私たちが営業をしていない団体や地域の行政から「困っている高齢者がいるんですが、訪問してくれませんか」という依頼を受けます。 昨年の秋からは地域のテレビ局でコマーシャルも流しています。コピーは「あなたのお宅が理美容室になります」で、月に200〜300回ほど流しています。 それを見ての依頼もたくさんあります。私は思いますが上田さんの会は大きなそして立派な組織がバックにある訳ですから、"宝の持ち腐れ"をしているのでは、と感じますが…。
 
(上田)  そうですね。私どもは組織として活動しておりますので、個人として動ける立場にいれば、もっと思い切ったこともできるのでしょう…。
 ですがやはり本業は理容師であり、組合員ですから、轍にはまってしまっているということがあるかもしれません。しかし、大理生という大きな組織で「何かできないのか」という点を私たちも強く求めています。
 

半歩でもいいから前に!
夏場は汗だくになって施術


 Q  近藤さんは昨年『NPO法人 豊中訪美協会』を立上げた訳ですが、どのようにして活動を展開していかれましたか。
 
(近藤)  最初に相談に行ったのは保健所でした。そこから市役所の高齢福祉課を紹介してもらいました。行政、そして私たち美容師が利用者に対してそれぞれどう取り組んでいくかということですが、まず立場上、行政はなかなか動かない。すべて「前例がない」ということで意見がはねられるんです。
 ですが、私は思います、何度はねられてもこちらから戸を開ければいいと。多くの人々は言ってばかりで戸を(自らで)開けようとしない。開かなければ、自分たちでこじ開ければいい! そうこうしている問に市が動かなければならなくなるんです。半歩でも動けば、後はこちらサイドのものです。
 ですから、支部員には「いくら伝えても動かない時は半歩でもいいから前に出よう。動こう、まず動こう」と言ってます。半歩でも出てからは何度でも起動修正ができるんです。行政をこちらに少しでも向かせることができれば、ある程度、ゆっくりですが動いて行く。とにかく門を叩くことでしょう。
 つまりいろんな事で自分たちがどう消化していくか。組織で動くのではないと考えています。個人でどう判断していくか。そして組合員には「これはお金儲けじゃない。ボランティアでもない。"有償のボランティア"だ」といつも言っています。例え50円でも100円でももらえば、お客様。そういう立場でやっているととても楽な気持ちになれます。
 ボランティアでしていると「してあげている」という気持ちになりますし、利用者は「してもらっている」と感じて、どうしても縦の関係になってしまう。そうでなく、同じ立場、目線で接して行こうと取り組んでいます。
 
(上田)  確かにそうです。無料のボランティアではなく、なぜ私たちを利用者の皆さんは待ってくれているのか。「無料だと無理な注文が言えない」と、聞くことがあります。ですからお店でしている技術をするということです。
 
(近藤)  そうです。それが互いの利便性だと思いますね。また、私の協会ではリビートの際は必ず指名は断っています。なぜか?そうしなければ一人の美容師に集中してしまうからからです。
 
(上田)  そうですね。「施術した後の喜んでくれている姿を写真を撮りなさい」と私は会員に教えています。それとカットした技術者の名前を書くようにしています。そうすることで、次回訪問した際に、「前回はこんなスタイルでしたよ」と利用者に伝えることができます。技術者も仕事がしやすいですし、利用者の情報も分かるんです。 
 
 Q  中川さんは当初お一人で活動されていましたが、現在は何人かのスタッフと一緒に事業を行っていますか。
 
(中川)  はい。今はスタッフが私のほかに2人います。私の活動が載っていた情報誌や新聞記事を見て「こういう仕事がしたかったんです」と連絡を頂いて一緒にしています。一人はそれまで美容室に務めていたけれど、どうしても訪問理美容の仕事がしたかったということです。
 もう一人は美容室を経営していましたが、現在は譲って、主婦業に専念していたんですが、将来的に訪問カットの仕事をしたいということで一緒にしています。主に男性の利用者は私が伺い、女性は美容師が訪問しています。
 最近よく、理美容師の人から連絡があります。「定年になったので、仕事をしたい」という依頼ですが、正直、訪問の仕事は体力的にきつい部分があります。寝たきりの利用者の頭を持ち上げて、片手で技術を行うということは、力がいることです。夏場だったら汗だくになりながら技術を行っています。動く事が出来ない利用者が多い訳ですから横を向いてもらうことも大変で、ある意味、力仕事ですね。
 それに在宅の場合は住所と電話番号だけを頼りに家を探しますから、初めて訪問する家は分からないことが多いですし、また現場で何が起こるか分かりませんから、道具類もたくさん持参します。そういう苦労もありますので、比較的お若い人にスタッフとしてお願いしています。
 

ネイルやメイクサービスも
大きな声での挨拶と笑顔


 Q  技術的にはどのよう、にされていますか。
 
(上田)  「基本的にはお店でしている施術を施設でも行うように」と私は会員に伝えています。ですからカット&シェービングは基本ですから、それに加えてネイルなどのサービスを行うと、次回に伺った時にもとても歓迎されます。
 会員からは「非常に喜んで、私たちを待っててくれた」との話を聞きます。昨年の年末も全員で訪問しようと頑張りました。
 
(近藤)  今、組合員さんには「カットが終わった後に、1ポイントでもいいからメイクをしてあげてほしい」とお願いしています。
 
(中川)  喜ばれるでしょうね。
 
(近藤)  そうです。特に女性の場合は眉カットしてあげると喜んでくれますね。"にこっ"としてくれる。これが私たちの仕事の一番の妙技ではないでしょうか。
 
(上田)  そう。私たちの生き甲斐です。
 
(藤岡) 女性はメイクで本当に変わりますからねえ。
 
 Q  では、在宅や施設で多くの人々と触れ合う中で感じたことなどがありますか。 
 
(中川)  あるリハビリの病院に出張に伺った際、カットをしている時に、利用者の人が泣かれるんですね。体が不自由で「退院したら首を吊って死んでしまいたい」って。
 で、いろいろと話を聞いても「そうですね。そうですね」と、当時は私自身に知識がなかったのでどう声をかけたらいいのか分からなく、ただその人の話を聞くだけだったんです。それがきっかけで精神対話士の講習を受けました。そして、悩みを抱えている人の心に寄り添えるようにとメンタルケア・スペシャリストの資格を取得しました。
 それからは積極的に自信を持って利用者の人々にお声掛けができるようになりました。私の中ではすごく大きな進歩だと思っています。いつも感じますが話を聞いてほしいという人がたくさんいます。コミュニケーションを取るということがとても大事で、本当に基本だなと感じています。
 
(長野)  医師や私たち看護師に、患者さんはあまり本音を話しません。最近はインフォームド・コンセントとかで、患者さんの気持ちを聞き出して、本来のありのままの姿を見た上で、治療の計画を立てていくということが、進んでいます。
 看護師は患者さんの思いを引き出すことが仕事の中で一番大事なことだと思います。そのためにはコミュニケーションを図って信頼関係を築くことが基本中の基本です。本気になってその人に関わらないとダメだとも思います。
 
(中川)  在宅の利用者の人々は周りのご家族も含めて皆さんどういう人が訪問理美容に来るのかとても心配のようです。依頼の電話で「調子はどうですか」「座ることができますか」と少し話しをしますが、当日訪問してドアを開けて初めて「こういう人で、良かったね」と依頼者から言われることがあります(笑)。
 やはり大きな声で挨拶することと、何より笑顔ですね。
 
(上田)  その通り。声掛けと笑顔ですね。それで安心してもらえますね。
 
 Q  ヘルパー2級講座を開設する立場で山口さんは介護サービスについてどのように感じていますか。
 
(山口)  高齢化社会ということで、高齢者へのサービスというものがどの業界でもかなり大きな影響を与えているのかな、と感じています。
 私どもでは大阪美容組合豊中支部さんのほかに、大阪府歯科衛生士会からもホームヘルパー講座を委託して頂いております。こちらの方は歯科衛生士の人々ですから口腔ケアが専門です。
 ではなぜ、その口腔ケアにホームヘルプサービスが必要かと言いますと、高齢者の人が独力で歯科医に行く事ができないということなんです。そういう人に在宅で口腔ケアをするんですが、歯科衛生士は身体介護に関しては素人ですから、ホームヘルパー2級を取得して、「在宅で口腔ケアの活動をしていきたい」という人がたくさんいらっしゃいます。
 高齢化社会に際して本当に必要な技術というものを多くの人々が取得したいと、講座を依頼されているというのが私の実感です。
 

施設には競合が多数存在
困っている人ヘサービスを


 Q  皆さんは多くの施設に伺い施術をしている訳ですが、問題点などはありませんか。
 
(中川)  施設に伺いますが、最近特にすごく競合しています。聞いていると、タオルも全然変えない業者もあるようです。
 偶然その利用者は理容関係の人だったらしく「いくらなんでも不衛生だ」と施設の人に忠告したらしいです。それで私の会に依頼がきました。ある業者では衛生処置はしていない、消毒もしていない。また美容師が顔剃りをしているなどがあるようです。
 
(近藤)  それは即、保健所に言うべきでしょうね。でなければ真面目に営業に取り組んでいる人たちがバカを見ます。
 
(藤岡)  私は県内では3番目に理美容関係でNPO法人の認証を取得しました。ですからより多くの人や業者が訪問理美容に参入して、困っている人に手を差し伸べ、利用者が選別できるチャンスがより増えることが大事だと思います。自由な社会ですから(参入を防いで)自分だけを防衛するのはあまりにも身勝手でしょう。競争の中でさらに自分を磨けばいい。切磋琢磨して、いい業界になって社会に認められるようになることが必要だと思います。
 
 Q  ではどのように施設や病院側に訴えているのでしようか。
 
(藤岡)  もちろん私の訪問している施設でも何社も競合しています。考えとしてはある商品をコンビニで買うのかスーパーで買うのか、また百貨店、どこで買うかを消費者が決めるのと一緒で、「(施設側が)利用者が選ぶ事ができるよう数多くの業者に参加の機会を与えてあげることが施設にとってのサービスですよ」と提案をしています。「(訪問理美容のサービスに)一社だけを入れているのは返って怠慢ではないですか」と訴えています。
 
(近藤)  ですが正直、なかなかその一言が言えません。
 
(藤岡)  私の場合はうまく行きましたね。例えば市の寝たきり等の訪問理美容事業でも、従来ならば組合員に任すとか、加盟店とか振興会とか、また理美容店を営業していないと、市の指定業者の認定書がもらえなかったんですが、そのような点もすべて改良されました。
 
(上田)  それはどのようにして改良していったんですか。
 
(藤岡)  「これまでの理美容室は介助知識を持っている専門業者なんですか?また、専用の器具などを持っている業者がどれだけいるんですか?」と問いました。「それよりも、専門のスタッフを配置して、困っている市民に訪問理美容のサービスを提供しないのは、おかしいことではないですか」と提案しましたら、すぐに変更されました。
 
(上田)  それは市ですか。
 
(藤岡)  そうです。「最寄の業者が、最寄の困っている人たちを助けてあげよう」ということです。結局、寝たきり等指定業者では、理美容室を経営してなくても、保険所へ出張理美容開始届けを出して、保健所の方から認証を得ている人には、市が事業者の認定をしましょうということです。
 だから市が発行している理美容クーポン券の扱いも認めましょうということに変わりました。
 
(近藤)  先駆的ですね。ですが、(保健所から判断すれば)無店舗営業になる。私たちは今、業種独占で営業を行っていますが、それらを認めるならば極端に言えば、調理師免許と同じように理美容師免許が無くても営業ができるということになりかねない、という危慎を(上の方は)持っているようです。
 
(藤岡)  大阪や各地の保健所の事は分かりませんが、多くの地域では、「出張理容・美容開始届け」を出さなくても、出張理美容業務ができる所が多いようですが…。
 
(近藤)  規制緩和ということで、そのような方向で動いているかもしれません。私の協会では先頃から、この問題で保健所と意見を交わしています。理美容室を営業していて、初めて出張理美容が行えるというのが今の法律だと認識しています。ですが、今、藤岡さんがおっしゃったことは、規制緩和の流れの中で、県や市が他の人にも認めましょうという動きだと思われます。
 
(藤岡)  ですからはっきっりと「健常者」「高齢者」「身体障害者」を区別しなければいけません。「健常者」にまで訪問理美容は認められていませんから。
 
(近藤)  そうなんです。ですがそれを隠れ蓑にして一緒に営業している業者や人が実際にいるので、保健所は困っているようです。「常識的な判断で」という指導をしていますが、それがあまりにもひどくなっているようです。
 
(中川)  保健所に頻繁に伺いますが、私の活動は市政ニュースにも載せているので、保健所の人からは「元気な人の所に行って訪問理美容サービスを行ってはいけないということを分かっていますね」との指導があります。私のところでは健常者からの依頼はこれまでは全くありません。
 
(近藤)  ですが、実際に元気な人でも「ついでにやってちょうだい」という人がいるんですよ。ですからその点をきっちり解決しておかなければ、他の組合員さんに対しても示しがつきません。グレーゾーンはないと思います。
 
(藤岡)  出張理美容業務というものは、高齢者や体の不自由な人、知的障害があるなど、諸々の障害がある人を対象とした理美容サービスが大前提です。
 

(次号に続く)
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